-KAORI-

あたしは、弘貴じゃない別の人の腕の中にいた。

温かいけど、その人は涙を流していた。

向こうから、弘貴が走ってくる。

弘貴に捕まえられたらいけないという反動で、走り出した。

それを必死に止めるその人。

あたしまで、勝手に涙が出てくる。



起きるとあたしは涙を流し、サヨから舐められていた。

「あ、サヨ…。」

何だったんだろう。
あの夢。

「はは。意味分かんないよね。」

サヨは、あたしが起きるとソファーに戻って行った。

寝汗を拭き、鏡に立つとあたしの酷い顔。

顔を洗い、リビングに戻るとチカチカと光るケータイ。

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