-KAORI-
いつのまにか暗くなった部屋に、一人。
誰も、あたしが存在している意味を、知っている人はいない。
救ってくれない、誰も。
コンコン
きっとお母さんだろう、今日で何度目かのノックだ。
『あかり、ご飯は?』
「いらない。」
『ちょっと、出ておいで。話したいことがあるの。』
そんな余裕などない。
どうせ、出たら出たで、黒川先生がきっと知らせただろう、傷のことを長々と話されることになる。
「話って何?」
『私のこと。』
「お母さんのこと?」
『そうよ。』