-KAORI-

『あかり、ごめん…。』

お母さんは、狂ったように謝り続けた。

その頃から、あたしはお父さんに憎しみを覚えた。


その後、あたしとお母さんは、おばあちゃんの家へと越し、学校へまた行かなくなった。

ピロピロン

おばあちゃんが切ったスイカに、かじりつこうとすると、横に置いていたケータイが震えた。

【着信中】

―お父さん

「はい。」

『あかりか?』

「うん。そうだけど。」

『会えないかな?』

「は?」

『話したいことがあるんだ。』

「あたし、ないから。」

『聞いて欲しいんだ。』

「いつ?」

『今週の土曜日。』

「じゃ、そっちのカフェに行くから。」

そしてお父さんの電話を切って、スイカに目を落とした。

お父さんに会う――。

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