-KAORI-

『いい物件あったかい?』

『なかったぁ。』

「じゃ、ずっとここで暮らすわけ?」

『家見つかるまでね。』

「学校…。」

『お母さんが、送り迎えするから一応行きなさい。』

「うん…。」

『でも明後日までは、休んでいいわよ。ここ慣れてないでしょ?』

内心喜んだあたしは、やっぱり根暗なのか。


『ごちそうさまでした。』

おばあちゃんのおいしいご飯は、あっというまに無くなった。

自分の部屋に入った途端、ケータイが鳴った。

ピロピロン ピロピロン

ケータイを開くと、着信中だった。

【着信中:弘貴くん】

「もしもし?」

『明日さぁ、どうする?あかりちゃん家行っていい?』

「えっ、うち!?おばあちゃんいるけど…。」

『なら、俺ん家来る?』

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