恋めぐり
「テメェ!」

シワだけじゃなく、青筋までたてて本気で怒ってることが分かった。

私が女じゃなかったら、殴られてるね。

同じ目線になった彼の顔は、見上げている時よりカッコイイ顔をしていることが分かった。


「久保田くんの手、冷たいんだもの。ビックリしちゃった」


上手くごまかして私は立ち上がった。


「直江!」


「そうだ。久保田くん、私の名前、桜理(さくらこ)じゃなくて、桜理(おうり)って言うの。人の名前間違えるのって失礼よ」
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