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ねねは、れれに比べれば遙かに経験を積んだ魔法使いだ。それでも、こんなに血を流した状態で魔法を使い続けた事などない。
いつまでも炎はリーグにあたらない。自分を苦しめるリーグを焼き尽くさなければ、苦しみから解放されない。だから、炎を放ち続けるしかない。どうしようもない状況に追い込まれていた。
<あぁ、なんか体が変だよ。中から膨らむ感じがする。なんだろう?この感覚。やばい、やばいよね?>
そう感じても力を止められない。
炎を出す右手の血管が弾けた。
その瞬間だ。ねねの力は、ねねのものではなくなった。

血ではなく、炎が全身から滲み出る。それを必死で消そうとする、ねね。しかし、炎の源はねねの血だ。けがを治しでもしない限り、炎が消える事はない。
「きゃああああああ。」
甲高い声で叫んだ。

断末魔は、僕の心の中にも入り込んできた。
僕は現実世界に引き戻された。現実世界が、僕の目に飛び込んできた。
どうしてそうなったのかわからない。ただ、朱ずくめの女から、炎があがっている。そして、その後ろにリーグの姿が見える。
「リーグ?」
状況は飲み込めないままだ。
ただ、その時、僕はリーグと最期になる気がした。
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