SSマジック
和人は眉間にしわを寄せながら言った。

「そりゃ~もちろん…。手出さないでね!」

「大丈夫かよ~…」


「ガチャ」
静かにドアが開いた。

「優。おはよ」
「おはよう…。愛…」
「優。分かってるよ」
愛の言葉に頷くと、優は和人の入れたレモンティーを飲みはじめた。



「愛。いたぞ」
二日たった朝の電車の中、それまで無口だった和人が口を開いた。

「さんきゅ。夕方五時南口で」

それだけ言うと、学校までの道を二人無言で歩きだした。


「決戦は金曜日よ」
「金曜日?」

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