SSマジック
お風呂を出たら、聞いてみようと思い、勢い良く湯槽から出た。

「や…ば…立ちくらみ…」

「ガターンッ」
「いっ…」

お風呂場のドアに、こける形になって、胸を打った。

それでもまだ立ちくらみはおさまらず、うずくまった。

「バンッ」
鍵をかけてあったはずの、ドアが勢い良く和人の手によって開けられた。

「愛!?」

うずくまったままの愛は、頭がガンガンする中、座りこんで胸を隠す。

「ダメ…。見ちゃダメ…」
「んな声出すなよ。誘ってるのかよ」


誘ってるわけじゃないのに…。
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