出逢ったのは俺様男

ガーデンハウス

「んっ…」



しばらくして目が覚めたあたし

いつの間にか授業が終わっていて、クラスメートもほとんどいなくなっていた



「あれ?…寝過ぎた…かな」

「おっはよー梨乃ちゃん」

「…お前寝過ぎ」



目の前には笑顔の由宇君、そして少し後ろに呆れたような顔する隼人



「…よく寝たぁ」



とりあえず良い睡眠ができたと満足してみたり



「ねー、暇??」

「え?…まぁ」



部活に入ってる訳でもないから暇なのは確かで



「なら僕らと行こ!」

「?」


何処に行くんだろ


「さっさと行こうぜ、梨乃が起きねーから待ちくたびれたし」

「え、もしかしてずっと待ってたの…?」

「そだよ〜可愛い寝顔見れたから得したけど」



そんな由宇君にあたしは少し照れてしまう



「中々起きねーから、キスでもしようかと思ったぜ」

「…よかった、その前に起きれて」



お姫様は王子様のキスじゃないと目覚めません



「お前、お姫様って柄かよ」


へ、口に出してたかなぁ


「…隼人だって悪役じゃない」


そんなあたしにフッと笑う隼人はまさしく王子様ではない


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