こころの展覧会
何故かはわからない。
何もかもどうでもよかったからなのかもしれない。
死にたかった。
何も考えたくなかった。
何も聞きたくなかった。
何も見たくなかった。
目を閉じると、瞼の裏にあの川の流れが映る。
水があとから、あとから流れてきて、どんどん、どんどん流れてきて、気持ち悪くなる。
あの流れに、呑み込まれてしまいたかった。
トンットンッと、戸を叩く音で、思考がそれた。
「着替えもってきたから、ここに置いておくよ」
橋の上で会った女性とは違う声。
その声は女性のものだけれど、冷たい印象を受ける声ではなく、どこか温かみのある声だった。
「ありがとうございます」
藍は湯船から出て、身体を拭き、浴室から出た。脱いだ制服はかごごとなくなっていて、残ったかごの方に深い青色の着替えが入っていた。
藍はその着替えを手に取り、広げてみた。