満たされしモノ
昼休みも折り返し地点に差し掛かった頃。


顔を伏せ、トボトボと歩く僕……


手には二つのパンが握られている。『マズパン』が二つ。


……奇しくも、穴夫の言った通りの結果になった。


僕は負けた。敗北、完敗、言い訳のしようのない完全敗北。


パンタゴンの闘いは、僕が寝ている間に決着がついていた。


恐らく戌亥先輩が『ウマパン』を得たのだろう。


とにかく、残されていたの数種類のマズパンだけだった。


半泣きでパンを購入し、当てもなく歩きだし今に至る。


(これからどうしようか……。不知火達の所には行けないし……)


かといって、一人の食事はあまりに寂しい。


というより、黙々と『マズパン』を食べる自分を想像するのは恐怖すら覚える。


勿論、不知火達以外にも仲の良い友人はいる。


けれど、何の前触れもなく昼食の輪に入っていくのは、やはり気まずい……


(う~ん……。一人だけ大丈夫そうな人はいるけど……)


僕は迷った。


頭を捻って考えた。


けれど、孤独な食事の辛さには敵わない。


昼休みも残り少ないのだから、もう行くしかない。


僕は何とか決心をつけ、ある場所へと向かうことにした。


その場所は『風紀委員会室』


そう……


『クイーンゼスト』閂の根城だ。


 
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