満たされしモノ
私立黎明学園には大きく分けて三つの校舎がある。


一つは各学年の教室がある本校舎。ちなみに五階より上には理科実験室といった特別教室がある。


次に部室棟。その名の通り三十を軽く越す部室が並ぶ校舎だ。授業で使う体育館もこの棟の一階にある。


そして、今僕が向かっているのが第二校舎だった。


第二校舎の中には職員室や保健室、生徒会室といった学校の組織に関する部屋が殆ど。


用がなければまず近付かない校舎なので、人気は少ない。


(そりゃそうだ……。皆、昼休みは昼食のことで頭が一杯だからなぁ……)


ただし、例外は一階の全て占める保健室。


今現在、一階の保健室には大勢が収容されているはずだ。


怪我人の絶えない昼食争奪戦後は、ベット数五十を越す広大な保健室が大盛況となる。


養護教諭も三人常勤しており、受け入れ体制も整えてある。


だが、それでもベッドが足りず、地面に雑魚寝しなければならない者が多い。


「あー……、今日も怪我人が多いな……」


僕がいるのは、本校舎と第二校舎を結ぶ渡り廊下、その二階部分。


窓から下を見ると、辺りはもう、敷かれたタオルとそこで倒れている生徒でうめ尽くされていた。


……


まさにリアルな戦場だった……


 
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