満たされしモノ
惨状を横目に、僕は自分の怪我がたんこぶ一つで済んだことを幸運に思っていた。


「でも、今から怪我が増えそうだ……」


拭い切れない不安を胸に抱いたまま、風紀委員会室に到着。


気のせいか、扉がやたら大きく見える。プレッシャーを感じる……


コンコン……


反面、僕のノックはとても小さい。


聞こえただろうか……


『誰だ。クラスと名前を言え』


部屋の中から高圧的な声がする。間違いなく閂のものだ。


「えっと……、一年Aクラスの本間刀矢……です」


馬鹿正直に答えた僕に数秒の沈黙が与えられ――


不意に開かれた扉から手が伸び、一瞬にして中へと連れ込まれた!!


閂に頭を掴まれ引き込まれたのは理解出来たが、顔を覆う何かと暗闇にパニックになる僕。


「ふはははは!! 刀矢は戴いたぞ貧乳!! 貴様等はどこへなりと行くがいい!!」


頭上から降り注ぐ閂の笑い声。


そこでやっと、僕は閂の胸の谷間に顔を押し付けられていることに気が付く!!


「もが! ふがふがふぁ!! もがふひゃはふぁふぁ!! ふほぉぉぉ!!
(なぁ! 何するの!! お願い離して!! 頼むから!!)」


……窒息寸前。


 
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