満たされしモノ
フライドレッグは出来立てのように熱々だった。


しかし、異様に食欲をそそる香りは、火傷することなど気にさせなかった。


フライドレッグを目の前に持ってきて、ゴクリと喉を鳴らす。涎が止まらない。


まずはソースを付けずに一口……


 


「むほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


室内に間抜けな声が響き渡る。


後で指摘されたら確実に悶絶するであろうことは分かっている。それでも叫ばすにはいられない、この旨さ。


もう、なんていうか、肉の醍醐味を結集させて凝縮したような……そんな感じ。


絶妙な食感を持つポテトチップスの更に上をいく衣。


衣のサクサク感とは対照的にもっちりとした肉。


噛めば溢れる肉汁の泉。


最高過ぎる。豚足がこれ程までに旨かったとは知らなかった。


今まで、何となくという理由で避けていた自分が恥ずかしい。


気が付けば、持っていたフライドレッグが骨だけになっていた。夢中で貪っていたらしい。


「次はコチジャンソースを付けてみろ」


僕は二本目のフライドレッグを手にし、閂に言われた通りにソースを絡める。


お味の方は……


「うんっまぁぁぁぁぁぁぁい!!!!」


再び叫ぶことになった。


 
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