遠目の子鬼
僕は、呆けた様にユーフォニュームのケースをだらんと提げて、よろよろと又兵衛が待ってる教室に向かって歩いて行った。

         ★

「ダメダメ、保孝どうしたんだ今日は?素人の俺が聞いてもおかしいぜ。ちゃんと集中してやらなきゃぁ上手くならないぜ」


又兵衛が、流腕を組んで、僕の前に仁王立ちしながら僕に向かって、お説教。


「――う、うん、ごめんよ」


でも、僕は相変わらずピントがボケた状態のままで生返事だけを返す。


「おい、保孝、しっかりしろよ、何か有ったのか?」


又兵衛は何時もと違う僕の様子を見て流石におかしいと思い始めたらしく、僕の顔を覗き込みながら僕に訪ねた。


「保孝、俺達、友達だろ?言ってみろよ、力に成れるかもしれないぜ」
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