遠目の子鬼
「おまえ、なっちゃん…好きか?」


――え?


英二の質問の意味が一瞬理解出来なかった。


「だからさ、おまえ、なっちゃんの事、好きかって聞いてるんだ」


僕は正直に答えていいものかどうか一瞬戸惑った。


英二の質問に関する答えは「Yes」である。


神様にも誓える。


僕は、なっちゃんに悪いイメージは無い。


――どこをどうすれば、なっちゃんに悪いイメージを思い抱けるだろうか。


英二は何を考えて居るのだろう?僕を試すつもりだろうか。


僕は英二の質問に少し警戒しながら、でも、本心を打ち明けた。


「うん、嫌いじゃないよ…」
< 86 / 274 >

この作品をシェア

pagetop