白黒先生-二重人格彼氏-


「あーもう…最悪だ」


あたしはため息をついて、落ちた資料集を仕方なく拾い始める。


最後の一冊を拾い終わると、薄暗い部屋の電気を付けた。



「…あ」



明るくなった部屋の机の上に、ある物体を発見。


ひどくぐったりした様子で寝そべっている、男の人だった。



「…全くこの人は、どこで寝てるんだか…」



机の上ですーすーと寝息を立てていたのは、紛れもなく先生だった。


あたしは資料集をドスンと教卓に置くと、寝ている先生のもとへそろりと近づいた。


へへ…いきなり大声出して起こしてやろ…っ。


いつもの仕返しに…と思いながら、忍者にでもなった気分で先生に近寄る。



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