白黒先生-二重人格彼氏-


「ん……」


先生が漏らした小さい声に、あたしは飛び上がりそうなほど動揺してしまった。


けれど先生は、相変わらず寝息を立てたままで、ほっとする。


ていうか…。

こうして改めて見ると、ほんと格好いい顔してるよ…。


…ってあたし、何考えてんのさっ!!



「んんー…っ」


「なっ、なななっ!?」



先生が寝返りをうったかと思うと、その体は机から落下して…。


ドサッ!


気が付くと、あたしの上に。



「わぁーぁっ! や、やばいって!!」



気が付くと、まるで先生があたしを“押し倒して”るような体勢に。


お、重いし近いし!!


そうすればいいのーっ!?



「んぁ…ん………ん゛!?」



目の前にある先生のまぶたが、ゆっくりと開く。


あたしはどうすることもなく、ただ苦笑。


< 144 / 162 >

この作品をシェア

pagetop