白黒先生-二重人格彼氏-


「なんだ…お前…」


「は、はいっ!?」


数秒の間を空けて、特に驚きもせずに先生は冷静に話し出した。



「俺を襲いてぇならもっとムードあるとこにしろ」


「…死んでしまえ」



何を言い出すかと思えば、コレか。


あたしは真顔で『死んでしまえ』と呟いた。



「…つーかお前、何でここに居んだよ」


「その言い方は無いでしょ…あたし、鈴城先生に頼まれてアレ運んできたんですけど」



教卓の上の大量の資料集を指さす。



「違げーよ、そうじゃなくて。何で、こんな俺の下に居んの?」



あたしはハッと気が付く。

考えてみたらあたし、今すごい体勢じゃん!!


「うっ…じゃ早く降りてくださいっ!」


両手で先生の肩を掴んで、押しのけようとする。


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