白黒先生-二重人格彼氏-

瑛まで騙されてんの?

この天使の仮面かぶった悪魔に気づいてー!


「瑛はなんにも知らないからじゃん…」

「少なくともお前よりは知ってる自信あるぜ?」

瑛が、自信満々な様子で言った。

今にも胸をドンと拳で叩きそうな具合。


「どこからくるのよ、その自信」

ったく…瑛っていつも自信たっぷりなくせに、ほんとはそうでもないんだから。


「あれ? 言ってなかったっけ? 俺と大和、いとこなんだけど」


自分と先生を交互に指さす瑛を、あたしはきょとんとして見つめる。

先生はというと、相変わらず王子スマイルを絶やさない。


「ちっせぇ頃から、俺大和に遊んでもらってたからなぁ…もう、なんつーか、兄貴みたいな感じだな」

あたしは一層きょとんとする。


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