白黒先生-二重人格彼氏-
「昔の瑛、可愛かったんですよ」
「今も格好いいだろ、俺! そうだろ? なぁ、大和」
「今は君たちの先生です、神谷先生と呼びなさい」
そう言いながら先生はにこっと笑った。
あたしは、二人の会話を無言で聞いていた。
「うっそぉぉ!? ほんとにいとこだったんだ!?」
数秒後、やっと驚きを声にすることができた。
瑛は呆れた顔であたしを見た。
「だからさっきから言ってんだろ? こっからはちょっと離れた大学行ってたから、しばらく会ってなかったけど」
うそ…いとこかぁ。
あたし、瑛の幼なじみ(一応)やってて…。
全然知らなかった。
ってことは、先生は身内の瑛にも本性を隠してるってこと?
あたしはチラリと先生に目をやる。