白黒先生-二重人格彼氏-

「………別に?」

数秒の沈黙の後、瑛がそっぽを向きながら言った。

ん、もしかして瑛、顔赤い?

図星なんじゃないの!?

「さっき間あったよね!? 図星なんだ?」

テンションが上がったあたしは、瑛の顔をのぞきこむ。

すると、瑛はくるりとこっちに背を向けた。

「こっち見るなハゲッ」

超むかつく罵声と一緒に、瑛の左手がブンッと飛んでくる。

「ハゲてないし! てか、それ、照れてんの? やっぱり図星なの?」

「いねぇよ! 好きな奴なんか!」

半分叫ぶように、瑛がこっちを振り向く。

あー…やっぱり、ちょっと顔赤い。

いっつもの瑛と違って、なんか可ー愛い!!

…けど、これ以上イジると手がつけられなくなりそうなので、やめておいた。

「ふぅん…じゃあいいけど。また教えてね」

「だっ…だからいねぇって!」

ムキになる瑛に、あたしは楽しくなってケラケラと笑う。

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