白黒先生-二重人格彼氏-
なんか、珍しくあたしがうわてに立ててる。
プクク…面白いから、これから観察してやろーっと!
「では、僕はここで」
先生が曲がり角に立って言った。
どうやらこの人の家はその方角らしい。
「あぁ、じゃあな大和」
瑛が先生に手を振る。
「さようなら」
あたしも別れの挨拶を…って、ちょっと待って。
あたし、先生と同じ方向じゃね?
「おい沙耶、お前ん家…この先だろ? 自分の家も忘れたのかよ」
不思議そうに言う瑛。
そう、確かに瑛の言うとおり。
ちょっと待って…。
あたしの家と瑛の家は近所で、いつもここで別れるんだけど…。
あたしの家への道は短くて、一本だから…。
先生、うちとめちゃくちゃ近所ってことになる、うん。