白黒先生-二重人格彼氏-
「おや、倉橋さんも近所なんですか?」
「えっ…あたしん家…あの緑色の屋根の家なんですけど」
いや、こんな男がご近所さんだなんて。
耐えられるか。
…心からそう思った。
「そうなんですか? 奇遇ですねぇ、僕、この間からあそこのオレンジ色の家に住まわせていただいてるんですよ」
…頼みます。
お願いですから、嘘だと言ってください、神様。
どうか、この先生の言うオレンジ色の家が…。
こないだまで空き家だったあたしの家の隣じゃありませんように!!
「と、いうことは…お隣さんですね♪」
そう言いながら極上のスマイルを浮かべてみせた、神谷大和氏。