白黒先生-二重人格彼氏-

肘をついてノートも取らずに、完璧に自分の世界に入っていた。

「は、はいぃっ」

あたしは慌てて立ち上がり、教科書を開く。

「倉橋さん、話聞いてました?」

鈴城先生が、穏やかな笑顔であたしに問いかける。

「ばーかお前、教科書逆さまだっつーの」

「あんたは黙っててよ」

瑛の憎たらしい顔。

あぁクソ…殴りたくなるじゃないか。

「倉橋さん、42ページから読んでくれるかな?」

「は、はい…えーと…」

鈴城先生は怒りもせず、あたしの音読を静かに聞いていた。

こういう優しい(しかも超美人)ところが、生徒からの人気を誇る理由だったりして。

鈴城先生みたいなステキな女性、ちょっと憧れちゃったりして。

まぁ、あたしみたいなのにあんな振る舞い、できっこないんだけど。

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