白黒先生-二重人格彼氏-

♪ピンポンパンポン♪

「あら、何の放送かしら」

あたしの音読がグダグダなのを分かってなのか、あたしの声を遮って、放送のチャイム音が鳴り響いた。

『1年3組、倉橋沙耶さん。至急応接室まで来てください』

ざわ…
教室が少しだけ騒がしくなった。

授業の最中に呼び出しなんて、珍しいことだ。

「沙耶お前、何かやらかしたのかよ」

瑛が面白そうな顔をしている。

あ、あたし、何か悪いことしたっけなぁ…。

ビクビクしながら、席を立つ。

「あの、先生…」

「いいわよ、行ってきて」

鈴城先生はニッコリと笑ってあたしを送り出した。

事件を起こした記憶はない。

けれど嫌な予感がしなくもない。

だって、放送の声は、アイツのものだったから。



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