一音入魂!
「たくっ。しょーがねえなあ。乗ってくか?」


宏夢はそう言うと突然止まった。
私もつられて立ち止まる。
きっと全力で走ったせいだ。
心臓がドクドクと脈うつ。
びっくりした。
宏夢がこんなこと言うなんて思わなかったから、なんだか恥ずかしくて、どう答えたらいいかわからなくてただ黙っていた。


「凛子!!!!聞いてんのか?早くしろよ!!!!俺まで遅刻しちまうだろーが。」


宏夢はイラだつように乱暴に頭をかく。
違う。
宏夢自身も気付いてないと思うけど、これは彼の癖で、ただの照れ隠しだ。
宏夢がそんなことするから。
私まで恥ずかしくなってきた。
自分でも頬が熱くなっていくのがわかる。


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