LAST-LIFE
「またお客さまが・・・」

香が言うと、腰をあげる。

「最近、お客さまが多すぎませんか?」

「・・・。会ってきます。」

香の質問を無視し、客間へ向かう。

客間に座っていたのは幼なじみであり、総鶴の家来である玉田四郎であった。

「四郎・・・。」
「―勘蔵。」
「久しぶり・・・だな。」
「おまえが出ていって一年近いからな。」
「もう、そんなに経ったか。・・・様子を見にきただけという感じではないな。」
「・・・よくわかったな。」
「いつからの付き合いだ。」

軽く笑ってみる。
四郎は髷も綺麗に結い、正装である。

「そうだな。・・・近頃、島村達の動きが怪しい。・・・島村やその側近がここを訪れていないか?」

鋭い眼光。
雰囲気からしてよくないことを聞いてきているのはわかる。

「いや。数か月前に様子を見に一度来ただけだ。・・・何かあったのか?」

四郎は勘蔵から目を逸らして大きく息を吐いた。
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