大好きな人にふられたときに読むお話
宏樹は私のことが好きだったに違いない。私という人間は好きだったにちがいない。ただ、私の振る舞いの一つ一つが気に入らなかった。私が理想の女だったらと、悔やんだにちがいない。

私の分析癖はこれで終わり。私ももう若くはないから、私のことを愛さない男にいつまでも尽くす気はない。この恋愛を次に生かすだけ。私にはまだきっといい人がいるから。

まだ宏樹のことは好きだけどね。当たり前。ふられた次の日に忘れられる人なんかいない。今日もあなたを思って泣きました。当たり前。

だけど私は大人の女。同情なんかはいらないの。だからもうさようなら。さようなら、大好きな人。
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