聖花学園~花よ咲き誇れ~
 そして寿先輩は無言で靴箱の中のミミズを掃き取り、外に捨て、ちりとり等を戻してきた。


「さ、では帰りましょうか」

 ニッコリと何事も無かったように言う寿先輩に、わたしは突っ込む気にもなれず従った。



 帰り道での会話は。
「これからも誰かと一緒に帰るようにしてください」
 だの。
「他に何かされてませんか?」
 などとわたしを心配してくれることばかりだった。

 心配性すぎだと思ったけど、心配してくれてること自体は嬉しかった。



 他の人だと素直に嬉しいのに、流依だとイライラしてくるのは何でなんだろう。

 最近フラワーの方々と行動する事が多くなって、考えるのはそのことが多い。


 わたし、他のフラワーと流依を比べてる?

 何故?


 答えの出ない疑問は、声に出す事も無く思考の闇に消えてしまった。

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