聖花学園~花よ咲き誇れ~
 とにかく靴箱の中でのたのた動いているミミズをよけながら、靴を取った。
 靴を確認すると、中にまでは入ってなくてホッとした。

 入れたほうもそこまでする気力は無かったんだろう。


 靴が無事と分かって、今度はミミズをどうしようか迷った。

 さすがにこのままにしておきたくはない。


「どうしましたか?」
 う~んと唸っていると、今日一緒に帰ってくれる寿先輩が声をかけてきた。

「あ、寿先輩……これ、どうしましょう……」
 ちょっと身を寄せて靴箱の中を見せる。

「…………」
 寿先輩は何とも言えない表情をして、無言で何処かに行ってしまった。

 しばらくそのまま待っていると、小さな箒とちりとりを持って現れた。

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