聖花学園~花よ咲き誇れ~
 偽善だってののしられるだろうか?


 でも、それらしい声は聞こえては来ない。



 わたしも言いたいことを言ったはいいけど、この後どうしよう、と思う。

 誰かしら何か言ってくれないと、何も言えないし動けもしない。


 流依が何か言うと思っていたのに、そんな気配は微塵も無い。


 誰か何か言ってよ~~~!

 本気で困りそうになったとき、意外なところから助け舟が来た。


「かばって……くれるの?」

 そう言ったのは理沙先輩だった。

「私、昨日……貴方にあんなことしたのに……」

 少なくとも悪いとは思ってくれていたみたいでよかった。
 きっと理沙先輩も、元々はそんなに悪い人じゃあなかったんだ。


「もういいんです。それにどう見ても、今の理沙先輩たちの方が辛い目に遭ってますし……」

 そう、その部分にはむしろこっちが謝りたいくらいだ。
 ミミズぶっ掛けられるなんて、想像しただけでも気持ち悪い。


 なのに理沙先輩達は、感極まって泣いてしまった。



< 142 / 380 >

この作品をシェア

pagetop