聖花学園~花よ咲き誇れ~
「じゃあ、肩だけお願い出来ますか?」

 折角の申し出だから頼む事にした。

「はい。では失礼しますね」
 寿先輩はそう断って、わたしの背後に来た。


「私、こう見えてマッサージ上手いんですよ」
 指の関節をポキポキと鳴らしながら言う。

 その仕草に、男の人なんだな。と思った。


 この状況って……結構恥ずかしいかも……。


 男の人に肩をマッサージされる。

 寿先輩は下心なんて無いだろうから、そんなこと考えるだけ無駄だ。


 わたしは頭を振ってその変な考えを消した。

「わっ!? どうしたんですか? 頭を振って」

「あ、いえ、何でもないです。あはは……」

「そうですか? ……じゃあ、肩失礼しますね」


 寿先輩の硬い手が肩に乗った。

 最初はちょっとドキッとしたけれど、マッサージの気持ちよさにどうでも良くなってくる。


 気分はまさにエステにでも来ているかのようだった。

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