無色の日の残像
 ピースピースを修理してもらえる上、戦闘機に乗れるとわかって、空気はたちまち上機嫌になった。
 一方、羽海は未だ不安な思いのままでいた。

「もしもあと四日で戻れなかったら、あたしたち・・・・・・」
「まあ、バレた時はバレた時だって。無事帰れそうなだけで良かったじゃねえか」
「それは──そうなんだけど・・・・・・」

「なあなあ、それより無色くーん」
 浮かれた調子で操縦席に声をかけるいとこを見て、羽海は大きく嘆息した。

「この戦闘機って、外が全く見えねんだけど、どうなってんの?」
 空気は僅かに揺れている機内を見回した。

 彼と羽海にはよくわからない何かの表示ランプがあちこち灯っているだけで、薄暗いコックピットには一つの窓もない。
 完全に壁によって覆われている。

「基本レーダー画面だけ見て飛ぶから。光学全方位モニターもあるけど──」
「お? お? なんだそれ!?」
「──きみらがいるから無理だな。絶対そこらのボタンとか触りそうだし」

 無色は無愛想にそう言って「着いたよ」と告げた。
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