無色の日の残像
小さな整備場の前では、禿頭のおじさんが愛想の良い笑顔で待っていた。
空き地のような剥き出しの地面の真ん中に、学校の体育館を小さくしたような、三階建てくらいの高さの建築物が佇んでいる。
潮風に錆びて、所々赤茶けた色が見えている。
地面に降り立った空気は、錆びた工場の入り口に停止している戦闘機を振り仰いで、改めてその奇妙なフォルムに見入った。
全長は十五メートル程もないだろうか。
小柄な機体に、長い、どこか昆虫の羽を思わせるような四枚の翼。
「こんな形の戦闘機なんて俺、これまで見たことなかったな」
思わず呟くと、「西側から来た人たちが見ても珍しいかい?」と近くに歩み寄ってきたおじさんが言った。
「うえっ? な、何で俺たちが西側の人間だって──」
無色はピースピース号を頼むとき、空気たちのことについてはぼかして話していた。
当たり前だが、空気と羽海が西側から来たという話は一切していない。
空き地のような剥き出しの地面の真ん中に、学校の体育館を小さくしたような、三階建てくらいの高さの建築物が佇んでいる。
潮風に錆びて、所々赤茶けた色が見えている。
地面に降り立った空気は、錆びた工場の入り口に停止している戦闘機を振り仰いで、改めてその奇妙なフォルムに見入った。
全長は十五メートル程もないだろうか。
小柄な機体に、長い、どこか昆虫の羽を思わせるような四枚の翼。
「こんな形の戦闘機なんて俺、これまで見たことなかったな」
思わず呟くと、「西側から来た人たちが見ても珍しいかい?」と近くに歩み寄ってきたおじさんが言った。
「うえっ? な、何で俺たちが西側の人間だって──」
無色はピースピース号を頼むとき、空気たちのことについてはぼかして話していた。
当たり前だが、空気と羽海が西側から来たという話は一切していない。