無色の日の残像
「じゃ、透明と結ばれたいと思う？」
「思うけど、どんなに好きでも僕と透明は結ばれない」

　がーん、とショックを受けて、羽海は再びへこたれそうになった。

「だって僕と透明はどっちも女の子だし、クローン同士だから」

　何だろうこの自然さは。
　こんなにサラッと言われると、それがとても当たり前のことのような気がしてくる。

　というか、自分が何を言いたかったのかわからなくなってくる。

「ええとね、とりあえず無色と透明のことは置いておいて･･････あたしはクウのことが好きだけど、でもそれはね、クウが大事な幼なじみでいとこだから」

「幼なじみやいとこだと結ばれないの？」
「いやいやそうじゃないんだけどねっ」

　あーん、誰か助けてよ。

　羽海は泣きそうになりながら、心の中で助けを呼んだ。しかしカウンターの向こうでは、雨鳥はしっかり傍観を決め込んでいる。
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