無色の日の残像
 午後になると、三人は病院に透明を迎えに行った。
 車椅子を押して戻ってくると、雨鳥が砂浜で炭火をおこし、バーベキューの準備をして待っていた。

「はじめまして。キミが透明ちゃん? 双子だけあって、本当に無色くんとそっくりだねえ」

 東の人間である雨鳥には、無色と透明が非合法なクローンだということは伏せ、双子の妹だと伝えてあった。

「はじめまして。素敵なマスターですね」と、車椅子の上で透明は微笑んだ。

 それからの数時間、空気と羽海は自分たちがおかれている状況を思わず忘れてしまうような、楽しい時間を過ごした。

 人気のないビーチで肉や野菜を焼いて食べ。
 色々な話をして。
 透明はきらきらとよく笑い。

 無色は相変わらず無愛想だった。
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