無色の日の残像
 そして。
 夜になって、花火をして、騒いで。

「不思議」
 透明は、昼間みんなで集めたたくさんの硝子の欠片を花火の光に透かして眺めていた。

「こんなものを、人間はどうして綺麗だって思うのかしら」

「カラスとかも好きだよね、こういうキラキラしたもの」
 羽海が花火をぐるぐる振り回して遊びながら言った。

「そうだね、でも人間だけだ」
 そう言いながら、雨鳥が砂浜に座って缶ビールを開ける。
「どうして綺麗だと思うのか、そんな疑問を抱くのはね」

「そうね」
 透明は硝子を膝の上で転がした。

「人間だけが硝子の欠片にそんな疑問を抱いて、花を愛でて、夜光虫の光る海に心を奪われて──そして」
 雨鳥は無色に、またあの容赦のない視線を向けた。

 無色の手にした花火が、終わりを迎えて消える。

「人間だけが殺し合いをする、って言いたいんですか?」

 無色は花火を投げ捨てて、雨鳥の視線を真っ向から睨みつけた。
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