**Ran**
蘭はハキハキとした口調で言った
「初めてまして!
南崎蘭と言います。
北崎くんとは学校が同じで仲良くさせて頂いてます!!
今回は私が先輩に絡まれていたところを北崎くんが助けてくれて
このような事態になってしまいました!!
私のせいで息子さんをこんな大ケガにさせて本当にすみませんでした!!!
慰謝料などは責任をもって支払いますので!!!」
蘭は深々と頭を下げた
「おいッ!!蘭いいって!!!」
俺は気づいてた
蘭の体は小刻みに震えていたこと…
止めにいきたいが
包帯や痛みが俺を妨げる。
「…はっはっはっは!!!」
オフクロが大声で笑った
「慰謝料だなんていらないよッ!!
んなもん学校側から取ればいいさ!
それにそんな堅苦しくならなくていいからさ~♪」
「いい子じゃねぇかぁ~…」
オヤジは号泣している
蘭は恐る恐る顔を上げた
そしてオヤジとオフクロは蘭に優しく言った
「どーせ乱のせいで絡まれたんだろ?
すまんかったなぁ~怖かったろぉ??」
「乱にも男らしいとこあんのね~
こんな乱だけど仲良くしてやってね」
「…ハイ!!!!」
蘭の震えは止まり
またあの笑顔をみせた
あの,蘭の花のような笑顔を…。