お兄ちゃんの気持ち
「シャワー浴びてくるよ」

もうしばらくかかりそうなカナコを置いて、着替えてから熱いシャワーを浴びた。

「好き…か…」

俺にもいつか、見つかるだろうか。

手放したくないと思う彼女が。

シャワーを終えて部屋に戻るとドラマは終わっていて。

カナコのアイロンが終わったところだったようで、綺麗に仕上がったシャツをハンガーに掛け直しているところだった。

「あ、おにいちゃん。出来たから持っていってね!」

俺のワイシャツを手渡してくれたカナコは、自分のシャツを持って部屋へと戻ってからばたばたと戻ってきて、冷蔵庫から冷たいお茶を取り出して俺にも入れてくれた。

「はー。今のドラマね、クラスで流行っていて。なんとなく見てみたらハマっちゃった」

「そうか」

冷蔵庫を開けながら「夜食でも食べる?」と行ってくれるカナコに何もいらないよと断りを入れる。

そんなに食べていないけど、なんだか食欲もわかない。

振るのも、振られるのも辛いな。

「じゃあ、私寝るね!おやすみ」

「ああ、お休み」
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