私があなたであなたが私!?




ガラガラ。



私はお店のドアを開けた。



ソースのいい匂いが
漂ってくる。



「いらっしゃいませ〜」



お店の人の威勢のいい声が
聞こえた。



奥の鉄板でお好み焼きを
焼いてるおばさんのようだ。



いい人そうな人だ。



そしてもう一人の従業員が
声をかけてきた。



「お一人様でしょうか」



ん?
聞き覚えのある声。



私はゆっくりと振り返った。



あの時の王子様ー!!?



な、なぜここに!



私が絶句していると
王子が困ったように言う。



「どうかなされました?」



「い、いえ…」



とか答えながらも
はい!どうかなされてます!!



それにしても近くで見ると
余計にカッコよく見える!!



この作業着がまた…



「あの、ところで
お一人様でしょうか?」



「えっ?は、はいぃ…!」



私は意識を取り戻し
あやふやに答えた。



いかんいかん!



見つめすぎた!
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