【長編】sadist and masochist love stories

陽生 side ②

みんなで食べ始めたごはん。


「みなみ、母さんの料理うまいだろ?」


「うん。
いつ来てもおいしいよね。
陽生が羨ましすぎ。」



俺は、軽くジョブ的要素でみなみに言った。


「ねえ。
いつもこんななの?」


俺に父さんの同僚の女の人が話しかけてきた。


たしか、佐々木さんだっけ。


「ここまですごくないですけど、近いものはありますかね?」


「そうなんだ。
課長じゃなくてお父さんとお母さんって仲いいの?」


なかなか積極的だな。


「仲いいですよ。
子供がウザいと感じるぐらいにラブラブですよ。」


俺は、呆れるように言った。


「そうなの?」



どんどん元気がなくなる佐々木さん。


自信をなくしたのかな?


完璧な母さんだから。


「近いうちにもう一人、弟か妹が増えそうな予感ですし。」


「えっ?」


「母さんが言ったみたいで。」


「ふ〜ん。
お父さんは?」


一瞬、妖しい笑みを見せた佐々木さん。


「ホントは、嫌みたいですよ。」


「へぇ〜。」


佐々木さんは、自信を取り戻したみたい。
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