最高級の召使
「楓・・・」


倉之助の声がした。



「どうしたんだ?いつ来た?」


私は倉之助に抱きついた。



「どうしたの?」


「ここにいる。
もう帰らない・・・・」



倉之助は私を強く抱きしめる。



「俺も絶対離れない。」




「抱いて・・・・・」

私は激しく倉之助を求めた。


井上の蜘蛛の糸から逃れる獲物のように

ローサと笑いあう倉之助を
消し去るように
すべてまっさらにしたかった。

倉之助に愛される時は
私の最高級の時間・・・・


「早く…早く…」


何かに連れ去られる前に
倉之助を感じたかった。


「今日の楓は・・・いつもより
ずっと…刺激的だ…」
倉之助が口にした。


刻みつけて・・・・
倉之助と一つになりたい・・・
もう身体も心もひとつになったまま

離れられなくなればいい



つながった身体のまま
生きていけたらどんなに
幸せだろう・・・・・
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