Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜


な…んで……

今さっき私が作ったケーキとお弁当が

床の上にグチャグチャに散らばっている


昴君の好きな玉子焼きも肉巻き野菜も全部が下に落ちて踏み潰されてた

酷い……


誰がこんな事…

10分も離れてなかったはずなのに……


目の前に広がる光景があまりにも辛いので思わず目を伏せた


それでもなんとか
グチャグチャになったケーキとお弁当の前まで行くと


しゃがみ込んだ


昴君、ごめん…

お弁当もケーキも駄目になっちゃったよ…


自然と溢れてくる涙を
今教室から持ってきたハンカチで拭いた


「ウッ………」


唇を噛み締めケーキに触れようとすると


近くに一枚の紙が落ちている事に気付いた


いつもの白い紙じゃなくてピンクの便せん


拾い上げて表を見ると


こぉ書いてあった


『中尾萌音へ
人が散々警告してやったのに、まだ昴と付き合ってるお前にはこれから天罰が下ります』


読んだ瞬間何か嫌な予感がして


立ち上がって教室を出ようとした私の前に



「どこ行くの??」


って知らない男の子が3人立っていた……




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