Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

☆夏祭り☆


「杏〜ちゃん。お待たせ!!」

「萌音!遅いよ!!」

「ごめぇん。出掛ける前に弟とお父さんに夕飯作って来たから…」


今日は待ちに待った土曜日
夕方6時に駅で昴君と名波君と待ち合わせてる

私と杏ちゃんは折角のお祭りだからって事で
浴衣で行こうって打ち合わせてた


「まぁいいや!!お兄、萌音の髪の毛お願い!!」


杏ちゃんが大きな声でお兄ちゃんの駿君を呼んだ

「おぉ!!萌音早く!!」

「あっ、はい!!」

駿君は私達より7個年上で今年24歳の美容師さん

顔にはアゴ髭が生えててかなりイカツイけど
いつも私や杏ちゃんに優しくしてくれるんだよね


「駿兄、今日お客さんは??」

「今日は午前中だけの営業にしたんだよ」

私と駿兄が話していると
奥で着付けしてもらっている杏ちゃんがヒョッコリ顔を出した

「お兄は今日から彼女と旅行なんだよねぇ〜」

そうなんだ!!

鏡越しに駿兄の顔を見ると照れた顔をしながら私の髪をまとめてる


「毎日店出てるからたまには…なっ!!」


杏ちゃんの家は美容室で駿兄と杏ちゃんのお母さんで経営してるんだよね


だから杏ちゃんもきっと将来は美容師さんなのかな…


そんな事をボンヤリ考えてたら駿兄が


「よし、出来た♪」

と言って鏡を指した

鏡を見るとポニーテールの横縛りが綺麗に巻かれて
てっぺんに可愛いいピンクのカンザシが着けられてた…

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