俺と葉月の四十九日
「朝、部屋のTV消した?」
…どうでもいい。

「って言うか、TVで思い出したよ?」

安田の目が光った。
不敵な笑み。

またつまんねぇ思い付きに決まってる。


「何年か前にTVが取材に来たじゃない?この街にある樹齢800年の桜の木をさ」
「TV?」

そういや……。

「ああ!!あった!取材!」


今から六・七年前、この街にTV局が来た。
桜の大木を撮りにだ。

その木は川原の土手に立っていて、何度か過去、工事の為に撤去される危機があった。
だがなぜか怪我人が続出し、できないと言ういわくつきの桜。

今も悠々と立ち、春には満開の桜が色付く。


「桜の大木!水!草!キーワードぴったりだ!」

でかした安田!たまには役に立つ。


タクミは、俺達の会話に顔を上げた。

「あ…桜の木、川のそばにあって…」
「遅ぇ!」

その桜はここから歩いて20分程、子供でも充分行ける。


間違いねぇ!今度こそ掘り当てる!
もはや俺は油田を掘り当てる勢いだ。


「行くぞ!暗くならねぇ内に」
「圭ちゃん、やる気満々!ドーパミン大放出って感じ」


…うるせぇな。
テンション上げ上げで行かねぇと嫌になっちまうんだよ!
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