Vanilla Essence
その日。中学2年生のある日。
紗由美は、芯と帰路につく約束をしていた。いつものことなのだけど、その日は芯が「連れていきたいとこあるんだ!!」と言ったのだ。
もちろん、好きな人に……彼氏に誘われて断る理由なんてない。
だから、紗由美は笑顔で頷いた。
それが間違いだったなんて、この時は分からなかった。
嘘でもいいから、用事があると言ってたらよかったんだ。
それなら、あんなことにはならなかったかもしれないのに…