Vanilla Essence




「ふーん…そんなこと言うわけ」

「だから何だよ。このあと用事あるからお前の相手してる暇ないんだよ」


睨む珠希をよそに芯はそう言うと、踵を返してその場を去ろうとした。



そう、去ろうとした。


でも圭が襟元を掴んで引っ張り、驚きの色を浮かべる芯を殴るということで、それは出来なかった。

油断をしていた芯は、意外にも倒れ込んだ。



「は、忙しい?んなこと言ってられねーぐらい、こっちは腹立ってんだけど」


そう吐き捨てたとともに、芯の左頬に圭の拳が炸裂していた。


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