10年彼女
李梨と電話をする奈流の携帯から、心なしか怒声が聞こえるのは何故だ…?

「はい…ご、ごめんなさい。」

奈流謝ってるし。

「なんて?」

俺が問いかける。

「李梨もあっち行っちゃったって…
で、着くのは6時ごろになる模様。」

「は?!」

順がそう言って携帯を取り出した。

「李梨ー?どうにかならない?
あー、ごめんごめん。」

「なんかホントに無理っぽい。」
話しながら電話をきる順。

「じゃあ待つか。」

俺は再び本に目を戻した。
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