キミは許婚


聖がベンチから立つ。



けど……それより早く、あたしが固まる原因となった二人組の一人がこちらに駆け寄ってきて、落ちた紙コップを拾い上げてくれた。




「明! 何、落としてんだよ!」




笑顔で拾い上げてくれたのは……




哲太だった。




「あ……ごめん……」




瞬きも忘れるくらいの放心状態。


意識もなく謝罪の言葉を述べる。




哲太は近くにあったゴミ箱に紙コップを捨てて、もう一度あたしに笑いかけてきた。
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